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工学院大学建築学科を卒業後、セコム株式会社に入社。
社会に出てから自分が世の中に貢献できることは何かを真剣に考え、教員を目指す。
都内の私立高校に勤務し、キャリア教育を実践する中でワークショップの手法に興味を持つ。私立高校から都立高校に転職し青山学院大学ワークショップデザイナー育成プログラム17期を受講する。
ワークショップデザイナーとして、勤務校にて大学生と高校生との対話を中心としたワークショップや、漫才を通してコミュニケーションを学ぶワークショップなどをキャリア教育の一環として実践する。その一方、ワークショップの手法を地域活性化に活かすために東京都西東京市ひばりヶ丘地区の「まちにわ師」として住民をつなぐイベントに携わる。

WSDで一番印象に残っていることは何ですか?

「自分の前提条件を疑う」

講座の中で苅宿先生が話してくださった、「自分の前提条件を疑う」という話がとても印象的で、ワークショップの理論という枠を超えて自分にとって大事だと思いました。この言葉は人と話すときや合意形成するときに意識しています。相手と意見が食い違ったときに「この人の前提条件は何なのか」を考えるようになりました。相手の前提条件によって、こちらが使う言葉を変えていかないと伝わらないことが多いと気づいたんです。

WSD修了生 島村 学

WSD修了生 島村 学

WSD修了生 島村 学

教育現場でどのようにワークショップを活かしていますか?

言葉だけでなく、体験を通して考える場面をつくる

 進路指導やコミュニケーションの授業などでワークショップを取り入れています。

具体的には、外部講師を招いてドラマケーションのプログラム、大学生と高校生で対話を通して進路を考えるプログラム、漫才を通してコミュニケーションを考えるプログラムを実施しています。

 また、自分でも生徒に何か伝えたいときに懇々と語るのではなく、体験して考えてもらうきっかけを作ることを意識しています。

 例えば、自分が担任をしているクラスの話を聞く態度があまり良くない、と他の先生から指摘があった時にちょっとしたワークを実施し、みんなで考えるきっかけを作りました。

 クラスの中から1人教員役として前に出てもらい、ホームルームの朝の伝達をしてもらいます。その時、教員役の子の後ろにスクリーンを出しておき、他の生徒に「スマホをだして」とか「顔をみて聞いて」など、話を聞く態度について私が指令をだします。

先生役の子に感想を聞くと、「みんながスマホを見ている時はえって思って心が折れそうだった。」と話してくれました。

 注意を聞くだけより、体感してもらうことでより記憶に残るのではと考えています。このワークの後、生徒から「スクリーンに先生からの指令でてないよ。」と他の生徒に呼びかけてくれる場面を見かけると、少しは記憶に残っているのかなと感じます。ただ、すぐに話を聞く態度は良くなってません(笑)

ストロータワー

体育祭、文化祭などが終わったときに、クラスで対立が生まれたりすることがあります。「あの子達ぜんぜん準備とかしなかった」と教員に訴えてくる。自分と同じように動けると思っている人が多いんですよね。相手に期待しすぎていたり、集団のなかでの役割に気付いていないのかな、と思います。

そんな時に、クラスでストロータワーをやりワークの後に「それぞれ、役割があったよね。

自分がやったことの反対側に違うことをやっている人がいて、それで一つのことを達成できたらそれでいいんじゃないか。」というような話をします。

生徒の中にどう残っているかは分かりませんが、別の視点から考えることで理解してくれている子もいます。

漫才を通してコミュニケーションを学ぶワークショップ

 コミュニケーションの授業を行う際、講義形式ではなくワークショップ形式でどう実施しようか考えていたとき、漫才師の方と出会いました。大勢の人の前で笑いを取るために、どう伝えるか色々なことを考えていることを知り、「ここにコミュニケーションのポイントがある!」と感じました。漫才師の方を学校へお招きし、ワークショップを実施することにしました。

 内容は、まず生徒に漫才師の方をネタを見てもらい、その後どこに注意してネタをやっていたかポイントを教えてもらいます。その後、普段あまり関わりがない人とペアになってもらい、生徒全員に漫才をしてもらいました。台本は用意してあるのでハードルは下げてありますが、それでも漫才をやったことがある人はほとんどいないので、生徒も楽しみながら相当苦労しています。

 コミュニケーションを上手に取るためのポイントを「聞くだけ」と「実際にやってみる」のでは大きく違います。このワークを通して多くの気づきが生まれ、また普段の授業では見ることができない生徒の一面が垣間見れるので、生徒だけでなく教員としても非常に良い時間となっています。

自信と余裕がうまれた

 講座で理論を学び、自分も体を使うことやグループワークを体験したことで、学校生活の中で生徒の活動に委ねることが大切なことに気づきました。私自身、色々な場面で生徒の考えより自分の設定したねらいに誘導するようなことがありましたが、受講後はそこに違和感を感じるようになりました。授業の中でも、生徒たちの反応をみて活動内容を変えられるようになったと思います。生徒一人ひとりを信じ抜く自信がついたことで、生徒への対応にも余裕がうまれました。

今後は、数学の授業でもワークショップ形式を取り入れてみようと思っています。

WSD修了生 島村 学